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宮入映さん作、浮織生絹着物「北の森」をご紹介します。

こちらは第55回日本伝統工芸染織展出展作品です。

 

宮入さんは人間国宝の故・宮入行平刀匠を父に、長野県でお生まれになりました。

福島で紬織を故・山根正平氏に師事、その後京都で故・吉岡幸雄氏から染色・織物組織を学ばれ、2000年に独立されました。

現在は京都で染織作家としてご活躍されています。

 

宮入さんの作品は、透明感あふれる植物染による美しい色と、生絹(精錬していない生絹のこと)で織り成す浮織の表現が魅力です。

2012年第46回日本伝統工芸染織展では文化庁長官賞を受賞され、その後も多数の受賞歴があります。

 

京きもの蓮佳は、基本的に京友禅と西陣織の素晴らしさを伝えていくことに特化しておりますので、作家さんの作品や京都以外の産地の紬をお客様からのご依頼以外で扱うことは稀です。

ですが、宮入さんの作品をお世話になっている紬問屋さんで拝見した時、「これは仕入れて手本として学び、多くのお客様にご高覧いただきたい」と珍しく仕入れを即決しました。

染も織も手掛ける作家さんが、生涯に制作できる作品数は限られているからです。

京友禅も西陣織も、バトンリレーで工程を繋ぎながらも、今そのつなぎ目が少しずつ綻びています。そのような状況下であるからこそ、心を打つ作品に出合った時は、そのご縁を出来る限り結んでいきたいと思います。同じときは二度と来ないのですから。

 

オンラインストアにUPする以前に、限られた方に店頭でご紹介いたしましたが、審美眼の高いお客様は皆様総じてハッとされ、「これはどういうお品ですか」とお尋ねくださいました。

作品としての高い気品、完成度、宮入さんが目指す世界観、全てに魅了される着物です。

 

浮織とは、主に緯糸を浮かして文様のように織り出す技法で、古くは有職織物に多く使われました。

宮入さんは吉岡先生の元で学ばれたこともあり、作品の色使いや設計に、どこか平安の薫りがします。

生絹は特に平安時代に夏季の衣料とされ、紬糸に比べて細く軽やかで、張りのある風合いです。

現代の気候にも、この張り感と肌にさらっとまとうことができる生地風は最適ですね。

 

このような作品をどういった場所で着るか、ともよくお尋ねいただきますが、「素敵な着物が素敵な場所に連れていってくれる」とお答えさせていただきたいと思います。

お茶のお稽古をされている方でしたら、風情のある東屋でひらかれる朝茶事にいかがでしょう。かえってそういう場所に招かれると、訪問着で決めるのも野暮に感じられる時がございます。

お好みでお着物を楽しんでおられる方でしたら、美術館や工芸展へのお出かけや、星付きの和食店でのお食事や、避暑地の定宿で過ごすプライベートタイムに。

 

袷として着ることはできなくはないですが、やはり単衣から夏にかかる時期にさらりとお召しいただくのが素敵です。

惚れ込んだ着物で出かける時の楽しさ、豊かさこそ、きものの楽しみと言えるのではないでしょうか。

 

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【 ご着用シーン 】

 

月釜、朝茶事、お出かけ等に。

 

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【 伝統色のパーソナルカラー:夏、花散里 】

 

あえて言えばサマーさん、ウインターさんに映えますが、美しく透明感のある色が映えるイエローベースの方がお召しになる際は、帯を朱や鶸色で合わせていただけますと着こなしていただけます。

このような着物は、パーソナルカラーにとらわれず、着たいように着て楽しむのが一番です。

宮入映 | 浮織生絹着物「北の森」

¥1,500,000価格
: 藍
在庫残り1点
    • 素材  正絹
    • 季節  夏単衣
    • TPO 月釜、お出かけ等に。
    • お仕立て納期  ご注文受付から約1カ月半~2カ月(ご着用時期がおありの方はお申しつけくださいませ)

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