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本書は長年養蚕の研究を続けてきた著者によるもので、蚕や桑に関連する書籍の紹介をしつつ、日本の養蚕技術の歴史を解説した1冊です。

文献の画像は300点近く、参考文献として180以上の書籍文献を紹介しています。

現在では化学繊維が主流ですが、世界に類を見ない養蚕製紙技術の歴史を学ぶことができる貴重な1冊です。

 

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『珍寳蠺書』

 

髙濱昌利著

発行 株式会社ケイエスティープロダクション

 

 

私たちを魅了してやまない天の虫、蚕。

蚕は不思議な性質を有しており、数度の「眠」を経て蛹となると、一度そのさなぎの中で融解し、一旦溶けてから成虫へと変化します。

人の手が無ければ生きることができず、飛ぶこともできない家畜であるため「一匹」と数えず「一頭」と数えます。

 

およそ5000年前に絹の製法が中国で発見されたとされていますが、我が国に公式に伝来したのは195年の仲哀天皇に献上された品が最初とされます。(実際には弥生時代から九州地方で絹織物は行われていました)

 

長らくその製法は国家秘密に当たるほど厳重に守られていましたが、染織業界では著名な名著、1802年に発刊された『養蚕秘録』により(当時1000部発刊でベストセラーだったところ、3000部発刊した)、製法が絵図を伴って詳しく著述されたことで生産力が向上し、その後も産業革命の頃品種改良がなされ、生糸は我が国の主要な輸出品に成長しました。

 

本著は47年間に亘り蚕の研究をされてきた元京都工芸繊維大学教授・髙濱昌利先生が、蚕に関わる180冊もの古書・珍書を紹介する染織従事者必見の書です。

江戸時代の養蚕の様子や、岩手県の養蚕の記録、そして桑の木の育て方から病気の治療方法まで。

 

今私が白生地問屋さんに生地を頼めばすぐに届けていただけるこの物流の先に、2000年の長きに亘る人類の良質な糸への飽くなき探求があったことを知る一冊。

 

編集・発刊を手掛けられた株式会社ケイエスティープロダクションの時岡社長のこだわりは、章の扉ページの繭の色付きがそれぞれ違うことだそうです。

髙濱教授と時岡社長の2人のマニアックな探求心により生まれた奇跡の書です。

書籍 | 『珍寳蠺書』

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