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巨大隕石の衝突により出現したメキシコのセノーテ、呪術者たちによるいけにえの儀式、発掘された6000年前の最古の藍染、台湾原住民に施された顔の刺青、インディアン達によるゴーストダンスと青く染め抜かれたシャツ、南洋で見つかった土器、海の青い稲妻──。

 

太古から信仰され、神聖な色とみなされていた「青」。

青は人を揺り動かす大きな力を備え、また時に儀式に捧げられて人の血が流された。

マヤブルーを体に塗られて雨神に捧げられたいけにえや、護守として顔に刺青を施す台湾原住民など、神聖なる青を身体に取り入れる人々も存在する。

 

なぜ人は青を欲するのか。

そんな神秘と霊性にみちた「青」と「人類」の関わり合いを、 画家でもある著者が時代を超えて巡ってゆく。

 

著者の瑞々しく壮麗な版画絵・タイル画も随所に挿入。文字、装丁、見返しも全て青に。内容もさながら、仕様でもどっぷり青の世界に浸ることができます。

 

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目次

アズレージョとわたし(はじめに)
【芸術】大アズレージョ画/青い街/海底彫刻の庭(「静かなる進化/「ランペドゥーサの筏」)海と詩/青いドレス
【自然】ブルーグロット/カエル/クジラ/青い卵/南洋土器/大凧祭り/伝統航法とポウの儀式/風の神ラータの子/海の稲光/湖の調査/グレート・ブルー・ホール
【儀式】セノーテの泉/いけにえとマヤブルー/ぼろきれ/最古の藍染/青い石/サンドペインティング
【遺跡】神々が創られた場所/豊穣の山と雨乞い/クモの女神/ブルー・ストーンの祭壇/インカの宇宙観
【民族】少女の刺青/紋面/装束と織物/埋葬方法/トビウオの巫術(「海のサファイア」)
【戦い】誓いのベルト/ゴーストダンス/青い精霊

 

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書籍 | 『青の儀式』

 

白須純  (シラスジュン)  (著/文)

画家、版画家。東京都出身。美術大学を卒業後、ロンドン大学UCLスレード美術学校に留学。その後チェコ、パラツキー大学で講師をつとめるなど海外で活動、発表を続ける。
2011年第一回「ジョアナ・アブランシェス・ピント賞」を受賞(ポルトガル大使館)。2017年にはリスボンのオリエント美術館で個展を開催。代表作の「三庭園」はポルトガル・パルメラ駅に設置されている。
最近の趣味は土いじり。現在のテーマは「農とともにある暮らし」について。

 

発行 雷鳥社

 

 

人類の「青」に対する希求心を、世界の古代文明や先住民族に受け継がれた文化歴史を下敷きに綴られる随想集。

染織に従事する私は、今まで最古の藍染とされていたのが4400年前のエジプトの布の出土品と見られていたものが、それよりも1500年早いペルーで発見されたという一文に惹かれます。

エジプトの布はミイラを包む防腐材としての復活への祈りでしたが、ペルーの布もまた、祖霊への儀式で使われた祈りが込められた布だったそうです。

 

本文の印刷も全て青。

青の世界に浸れる一冊です。

書籍 | 『青の儀式』

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