この帯は非常に繊細な糸使いで表現されているため、写真ではこの魅力を伝えることが難しいのですが、霞たなびく中に桜と紅葉を描いた逸品です。
桜と紅葉という春秋の柄を一緒に構成することを「雲錦文様」と言いますが、古来より春秋が揃うと縁起が良いとも言われ、着る人にとっては2つの季節に締められる為、楽しみが広がる図案です。
中でも、こちらの意匠でしたら桜とも紅葉とも偏らず、また控えめな印象ですので、お茶席にも相応しく、小柄な方にもお使い頂きやすいかと存じます。
さて、この霞の中を良く見てみると、河津桜色の糸をベースに、金箔糸を散らしで配置し、さらに金絡み糸で抑えているようです。
だからこそ、締めていただいた時に動かれると本当に霞がたなびくように立体的に見えるのですが、加えて霞の中には多色の金糸で描かれた紅葉や、桜の花の白も微妙に色を変えて何色か織り込まれています。
一体何層のレイヤーになっているのでしょうか。
花の色だけでもここまでこだわる、紫紘さんのさり気ない中に技術が詰まった宝石箱のような帯をお楽しみください。
結婚式他の式典、茶席、パーティー等にお召しください。
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西陣織の名門、「紫紘」。
源氏物語絵巻を西陣織で表現するという途方も無い仕事をライフワークとされ、素晴らしい帯の数々を残された故・山口伊太郎氏が創設した言わずと知れた名門の織匠。
西陣織の芸術性、創造性を極限まで高めた人物として、西陣ではその名を知らぬ人はおりません。
紫紘さんの帯のファンの方もたくさんいらっしゃる事でしょう。
伊太郎氏が突き詰めた表現を、確実に、着実に受け継ぎながら、日々現代の意匠を取り入れ新しい創作を続ける紫紘さんの帯。
「あぁ、ええ仕事っていうんはこういう事なんや。」と腑に落ちる、引き算の図案と選び抜かれた糸の配色。
それを身に纏う喜びを是非感じて頂きたいと思います。
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【 ご着用シーン 】
パーティー、茶席、結婚式等に。
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【 伝統色のパーソナルカラー、秋、秋好中宮 】
伝統色のパーソナルカラー、ソフトオータムさん、または淡い色の映えるサマーさんにお勧めです。
袋帯 | 紫紘 霞雲錦文
- 素材 正絹
- 幅 8寸2分仕上がり基準
- 季節 袷
- TPO 礼装に